Windows XPを代表するEditionで、もっとも普及している。
また、これらと同時にさらに付加機能を追加するMicrosoft Plus! for Windows XPも発売された。
Home Edition
主に家庭で使用されることを前提に開発されたエディションである。
Windows XPの基礎的な機能が搭載されているが、WindowsドメインやActive Directoryへの参加などビジネス(業務)向けの機能は搭載されていない。
1つの物理パッケージCPUのみの対応といくつか拡張性に制限がある。
Windows 98、Windows Meからのアップグレードを想定している。
アップグレード対象製品はWindows 98、Windows Meのみで、Windows 95とWindows 2000からはアップグレードできない。
また、アップグレードインストールした場合に限りアンインストール可能。
Professional
上級ユーザあるいはビジネスでの利用を想定した上位エディション。
マルチプロセッサへの対応やドメインへの参加、リモートデスクトップ(ホスト側)、ダイナミックディスクのサポート等に対応するほか、IISやファイルシステム暗号化などセキュリティ保護関連機能も搭載する。
Windows NT、Windows 2000からのアップグレードを想定しているが、Windows 98、Windows Meからでもアップグレードは可能。
Windows 95からはアップグレード不可能。
またWindows 98、Windows Meからアップグレードした場合はアンインストール可能だが、Windows NT、Windows 2000、Windows XP Home Editionからアップグレードした場合はアンインストールできない。
なお、Windows Vista BusinessやUltimateからダウングレード権を使ってこのProfessionalを使うことができる。
Media Center Edition
Professionalの機能をベースに(ドメインには参加できないと公式にアナウンスされているが、非公式ながら設定することが可能)、テレビジョン放送やデジタルオーディオ機器などのAV機能を付加したエディション。
このエディションのみメディアセンターと呼ばれるテレビ視聴、録画、音楽再生・録音、ビデオ鑑賞、DVD鑑賞などを専門的に行うツールが収録されており、付属する専用リモコンで遠隔操作を行うことが可能である。
ただし、Media Center EditionはOEM供給の形でのみ提供されるため、一部のプリインストールパソコンまたは一部のハードウェアとのセット購入(DSP版)でなければ入手できない。
Media Center Editionは2004と2005の2種類のバージョンがある。
なお、日本の大手PCメーカーはメディアセンターに頼らず独自にAV機能を開発しHome EditionまたはProfessionalを採用することが多い。
Tablet PC Edition
Professionalの機能に加え、ペンタッチ機能を付加させたエディション。
このエディションが搭載されたPCには必ず専用のペンが付属する。
またタブレット操作を想定したエディションであるため、Windows Journalと呼ばれるツールでメモ書きができたり付箋紙やMicrosoft Office等の一部のアプリケーションの付加機能が利用できる場合もある。
Tablet PC Edition (2002) とTablet PC Edition 2005の2種類のバージョンが存在し、2002ユーザはService Pack 2をインストールすることにより2005へとアップグレードが可能。
OEM版とDSP版(2005のみ)での提供で、パッケージ版は存在しない。
64-bit Itanium Edition
ProfessionalのItanium (IA-64) 環境向けエディション。
x64 Editionが発売される前の2005年1月4日に販売終了となった。
Professional x64 Edition
x64環境向けエディション。
2005年4月23日から販売開始され、OEM版とDSP版のみが提供される。
なお、当製品によりAMD64とIntel 64の総称がx64に事実上決まることとなった。
x64の特徴であるIA-32向けアプリケーションがそのまま動作するという機構 (WOW64) を備えているが、一部アプリケーションで動作しないものがある他、ドライバに互換性がないなどIA-32版との間にはいくつかの差異がある。
このエディションはまた、Windows Server 2003とコードベースを共通している。
Windows Fundamentals for Legacy PCs
"Eiger"と呼ばれたもので、2006年7月にシンクライアント版のWindows Fundamentals for Legacy PCs (WinFLP) として登場した。
比較的旧世代(Pentium世代)のスペックのPCが対象で、新しいハードウェアの導入が難しい環境でXP SP2と同程度のセキュリティ環境を提供する。
WinFLPはSoftware Assurance契約者の特典として提供している。
Embedded
組み込み用途向けエディション。
専用の構築ツールを使用してOSの機能をカスタマイズし、搭載製品の構成や用途に応じたOSパッケージを作成することができる。
POSシステム、ATM、カーナビゲーション、アーケードゲーム基板、シンクライアントなどに使われているほか、大手メーカー製PCでTV視聴録画専用モードのOSとして採用されている例もある。
現在は『Windows Embedded Standard 2009』という製品名で販売されているが、中身はProfessional SP3がベースとなっている。
Starter Edition
発展途上国向けのエディション。
対象国は国民所得が故に海賊版が横行しており、その対策として廉価で提供されている。
同時に開けるウィンドウ数が3つまでであることや画面解像度がSVGAまで、ネットワーク共有機能の制限やマルチアカウントが使用できない等の大幅な制限が加えられている。
Home Editionなどへのステップアップは提供されていない。
ポルトガル語(ブラジル)、マレーシア語、インドネシア語、タイ語などの言語版をはじめ複数のローカライズ版がリリースされている。
なお、各国のエディションにはそれぞれ異なった壁紙やスクリーンセーバーなどが収録されており、対応する諸国の事情に配慮している。
Home Edition N, Professional N
欧州委員会の要求を受けて用意されたエディション。
Home EditionとProfessionalからWindows Media Playerが除かれている。
主要エディションはメディアプレーヤーに関する消費者の選択権を狭めるとして、競争法違反に問われたため(マイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件も参照)。
Home Edition K, Professional K, Home Edition KN, Professional KN
韓国公正取引委員会の要求を受けて用意されたエディション。
KはHome EditionとProfessionalに他社製メッセージングソフトウェアへのリンクを追加したもの。
KNはHome Edition KとProfessional KからWindows Media PlayerおよびWindows Messengerが除かれているもの。
EUにおけるメディアプレーヤーに加えて、インスタントメッセンジャーについても消費者の選択権を狭めるとして、独占禁止法違反に問われたため。
ULCPC 向け Home Edition
Eee PCに代表されるULCPC用として、2008年4月3日、マイクロソフトがWindows XP Home Edition のメーカー向け販売を開始すると発表した[9]。
なおマイクロソフト言うところのULCPCは一般においてネットブックやネットトップと呼ばれる超廉価版パソコンに合致しており、これらの市場向け製品に利用されている。